原作:伊坂幸太郎
グラスホッパー (角川文庫)
世の中に、こんなに沢山殺し屋が潜んでいるのだとすると、
イヤだ・・・・
恐ろしい・・・・
殺し屋は殺し屋で、切ないですね・・・
鯨も蝉も。
なんというか、その、寂しい、切ない殺し屋二人が、最後、分かり合ったというか、むにゃむにゃむにゃむにゃな所が、更に切ないのですが、寂しさは消えますね。
しじみの泡、みえましたか?
押し屋は、先述の二人とは、違った方面の殺し屋。
主人公の彼女?妻?を殺したあの大量殺人事件を起こした組織を潰すべく、アンダーグラウンドの組織の一員だったんですね。
主人公は、そのアンダーグラウンド組織が、動きやすいように使われたわけですが。
復讐したいという思いが彼の中にあったからこそ、うまく利用されてしまったのでしょう。
ただ、彼が殺されないようには、していてくれたらっすぃですが。
途中途中で、尾行しているような人々が出てきてたのは、勝手に、彼女(?)を殺した組織を追っている警察かなんかだと思ってたんですけど、アンダーグラウンド組織の人々だったんですね。
人生が狂ってしまったであろう主人公。
救いはどこにもなさそうだったけれど、最後の最後に、彼女が助けた少年と出会う(出会ってはいたけど、知らなかった。最後に少年が告白する)ことで、救われた、よね。
虫も殺せそうにない主人公。
彼は、その後、幸せに、平穏に、暮らせたのでしょうか・・・・・
なかなか怖い話でございましたよ。
殺し屋の、蝉は、まぁ、ナイフで殺害するので、殺し屋っぽいといえば殺し屋っぽいし、
殺されてしまった被害者は、明らかに殺害されているわけで、殺人事件として捜査されたりされなかったり(被害者は、ある意味、悪い事をしている人々なので)なんでしょうけれども、
蝉は、自殺させる殺し屋で、彼の瞳を観ることにより、自分の罪に苛まれ、自ら死を選ばされてしまう。蝉は手を下してはいない。だから、周りからみたら、「自殺」なワケですよね・・・
押し屋は、絶妙に押す事で、車やたぶん電車やらに自ら飛び込んでいくようにみせかける殺し屋だから、これも、検挙される率は低いと思われ・・・・
事件になっていない「死」のうち、どれくらいが本当に、他人の手が加わっていないものなんだろう・・・
事故になっていたり、自殺になってたりするうちの、どれほどが、本当は殺人なんだろう
とか
なんだか、妙に考えてしまって、怖い・・・・・
平凡な毎日を送っているつもりで、実は、何か大きな組織とかに、しらないうちに利用されてたりしたら、恐ろしい・・・・
まぁ、そんなコトは、ないだろうけどさ!
原作は読んでないんですけど、映画はなかなか泣けました。
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