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無実 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
無実 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

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少女趣味・近親相姦・性的暴行 など、なかなかに、敬遠されるであろう問題が書かれているので、アメリカで、多数の出版社から断られた経緯をもつそうで。

しかしながら、読めばわかるのですが、これは、それだけの物語ではないのです。

少女趣味の頭の良い悪い男が、美しい少女を利用して、社会的に名声を得、成功している作家を陥れる。その方策として、近親相姦・性的暴行が出てくるわけですが、それも、悪い男により、片棒を担がされた少女が誘惑したのであり、本当の被害者は、作家なワケだ。
よくわからない説明になっているが、読めばわかる、読めば。

とにかく、この、少女趣味の男=デズ(ラッセル・デゾレット)が、悪い男である。
自らの欲望に忠実すぎる。自制するということができない。
そのためには、他人を陥れる事などなんでもない。いや、むしろ、自分が不幸なのは、そういう幸せなヤツがいるからだ、そいつが悪い。くらいに思って生きてらっしゃる。
何度も、助けられたにも関わらず、自分に都合がイイように解釈して、社会を恨んでいる、そんな男。
そんなヤツなのに、フェロモン全開で、女性は彼にメロメロになってしまうらっすぃ。
ちょっとここで、ひっかかったりするけど、小説だし、目をつぶっておくか。

そんな悪い男にひっかかってしまった少女クロエ。
母子家庭で、母親は寂しさもあったのか、毎週違う男をとっかえひっかえ。
少女から大人の女性への移行期にはいったクロエは若く、美しく、みずみずしく。
母親が連れ込んだ男たちが、母よりクロエに興味を惹かれ、手を出そうとすることもしばしば。
自分の魅力を知っているのか、気づいていないのか。
デズと知り合ってからは、どんどん、デズにのめり込んでいってしまう。
そして、母親が死んでしまった後、天涯孤独になってしまったクロエが頼れるのは、身体めあてのデズのみ。
そんなデズのトレーラーに入り浸っている時に、あの、トーク番組をデズが観ていなければ、
トレーラーハウスにクロエが入り浸っていなければ、この、邪悪な計画が立てられ、実行されることはなかったのだろう。
しかし、計画は立てられ、実行されてしまった。

悪い事だけは、知恵の働く男デズ。
全く、無関係なのに、ただ、その男が、成功しているから、陥れ、全財産を奪ってやろうという計画を、立てるんだ・・・
それが、悪人の思考なんでしょうか。
凡人には、思いもよらない事を、悪人は思いつき、実行に移すんですね・・・・・

それはそれは、用意周到に、クロエに刷り込み、教え込んだのでしょう。
素直なクロエ。
誘惑の実行犯はクロエなんですけれども、彼女も被害者ですよね・・・・・

瞬きで意思疎通ははかれるけれど、会話はできない、身体をうごかすこともできない、被害者作家の妻、ポーリーン。
彼女の強さには感服いたします。
家族を守ろうと思う意志、忍耐強さ。
デズが、あのような形で、平和であった家庭に踏み込んできた時、必死で夫に伝えようとしたけれど、うまく伝わらなかった。
しかし、そこであきらめず、可愛いまだ文字が書けないほどに幼い娘を、根気よく誘導して、夫にメッセージを書き残していた。
それがなかったら、デズのクロエの作家ウルリクソンに対して行った悪意に満ち満ちた犯罪は、証明することはできなかったことでしょう。

そんな作家:ウルリクソンさん。
家族を愛する、世間から、素晴らしい夫であり父であると思われていた彼。
そんな彼が、陥れられていく様は、読み続けるのが辛くなりました。
なんで、こんなイイ人が、こんな目に合わねばならんのか。
事実、ちょっと中断したりもした。
でも、これ、小説なわけで、タイトルからして、多分最後は、ウルリクソンさんは、クロエに手を出した事は許される事ではないけれども、実際は血が繋がっていなくて近親相姦ではないわけだし、年齢的にも、クロエは18歳になっていたので、一応、未成年者に対してってワケでもないわけで、しかも、頑張って自制していたのに、わざわざ火をつけるようにしむけたのはクロエなわけで、救われる話になってるハズ と思って、その結果を確認する為に読み続けたワケですね。

刑務所で過ごす間に、暴行を受け、衰弱し、目もほとんど見えなくなり。
まるで、ウルリクソンが書いている、売れないミステリの探偵のようになってしまうのです。
まぁ、それは、きっと作者の狙いなんでしょうけれども。

ディープティさんがいなければ、ほんと、救いはなかったかもしれませんよね・・・
この小説の一番の功労者だと思います。
あとは、マディの可愛らしさか。


大金をせしめたのに、あっという間に使い果たしてしまうデズ。
もう本当に、この男はどうしようもないダメ男ですね・・・・・


とにかく、クロエが事実を認め、ウルリクソン一家が彼女を許し、
ウルリクソンさんの目の手術が成功して、また、売れない推理小説が書けるようになり、
ポーリーンも退院して、マディも、おばさんの所から両親の元にもどり、
ディープティさんがまた、介護のお手伝いをして、
そこにクロエも、娘のような友人のような助手のような関係で、一家と共に暮らすようになり、
めでたしめでたし。
ウルリクソンの社会的地位が、汚名返上できたと信じて・・・・・
小説をまた書いてるってんだから、きっと、できたんですよね?

デズは、一生、出てこないで欲しいと思ってしまいました・・・・・
この人が騙して使い込んだウルリクソンさんの財産の1/3.
ちゃんと返せよ・・・・・無理でしょうな・・・・・


なんといいますか、
ウルリクソンさんも、ポーリーンさんも、強い人だなぁ と思いました。
素晴らしい夫婦ですよね。
肉体的なつながりは、もてないとしても、精神的なつながりの強さ。
いつまでも、平和で、幸せに暮らしていただきたいと思います。
そして、クロエ。
最初は、確かに、嘘をつき、潜り込んだ。財産目当てで。
しかし、罪を告白した後で、それでも、一緒に生活するように、きっとウルリクソンさんの方から頼んだのだと、小説の流れ的に思うのですが、そうだとすれば、今度は、ポーリーンもクロエの全てを受け止めた上での同居だと思うので、ぜひぜひ、幸せに暮らしていただきたいと思うのであります。


悪い事考えるヤツってのは、どこにでもいるようです。
詐欺師ってのは、芝居がうまいからな・・・・
弱者を装って悪い事するヤツもいるワケですよね。
強者が弱者を陥れる事ももちろんありますが。
何が事実なのか。をきちんと見極める事ができるようにしたいと思います。
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