渡りをする者
案内する者
を、追う。
梨木さんの物を表現する際の描写は、どれも秀逸で、
想像力の乏しい私(なにせひきこもりなので、外界の風景が想像しにくい)にでさえも、
そこにいるように感じさせる。
こんなワタシの、引き出しの奥の奥にしまいこんで、どこにしまったのか忘れきってしまい、探しても探しても見つけられないであろう脳内から、イメージを引きずり出す事に成功する。
その感覚は、いつも、自分の中に、こんなイメージの記憶があったんだと驚かされる。
そして、それは、心地よい驚きなのである。
決して、過剰な修飾語で飾られているわけでなく、必要最小限の言葉回しで表現されている。
言葉に対して真摯というか、これが物書きの人の力なのだろうなぁ。
わたしなんぞは、だらだらと修飾語ばかり並べてしまうのであります。
で、結局のところ、何が言いたかったのか、わからなくなってしまうのであります。
そのせいか、話を煙に巻くのは案外得意かもしれません。
素人のなせる業。
脱線の王様。
渡り鳥の行程は、本能なんだろうけれど、すさまじいものがありますね。
それを研究する人々も。
人も、渡る。
何のために渡るのか。
渡った人々に起きた出来事。
それは、悲しい歴史。
それは、過去の事などではなく、今にもつながっている。
そして、人と人は、以外なところでつながってもいる。
渡るという行動は、自分の歴史を知る事につながるのだろうか。
梨木さんが、自然を愛してるんだなぁというのは、他の作品からもにじみ出ていて、感じてはいたのだけれど、こんなに鳥に詳しいとは知らなかった(´・ω・`)
ワタクシ、とんがった鳥の嘴が、怖くて苦手なのですが、
この作品に出てくる鳥たちの描写を観ていると、愛らしさしか感じられず、
なんで怖いんじゃ?としか思えなかったりしますね。
でも、やっぱり、実際の嘴怖いんですけど・・・
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