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Shirley Jackson著   1962

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)

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なんというか、怪しげなタイトル。
邦題も、意訳ではなく、原題そのまんまなワケで。

恐ろしいものに、興味をそそられるということは、よくあることで。
怖いもの見たさ ってあるじゃないですか。

この本に手を出したのは、まさに、その感覚、だった気がします。

怪しげ、恐ろし気、不思議、日常とかけはなれた狂気 が 潜んでいる、そんな予感。


主人公であるメアリ・キャサリン(=メリキャット)の主観で話が進む。
町のお屋敷で暮らす、メリキャットと姉・コンスタンス(=コニー)、そしてジュリアンおじさん。
コニー姉さんは、街にいけない。
ジュリアンおじさんも、街にいけない。
だから、ワタシ=メリキャットが、週2回、町に買い出しにでかける。
おじさんが出歩けないのは、車いす生活だから。
姉さんがいけないのは?
この時点で、何か、怪しい。
そして、メリキャットが町に出かけた時の、町の人の反応。
メリキャットの視点だから、彼女の思い込みなのかもしれないが、「悪意」しか読み取れない。

そして出てくるキーワード「6年前」

「6年前」 に いったい何があったのか。

3人以外の家族が、ヒ素で殺害された。
容疑者としてコニー姉さんが取り調べを受けていた。
無罪、釈放されたのだが、それ以来、町の人は、ブラックウッド家に対し、色眼鏡で見ている。

外界と遮断された生活。
自らを守るため、いや、コンスタンスを守る為、メリキャットは、おまじないをかける。
それは、まるでおとぎ話の中に出てくる魔法のよう。
小川のほとりに埋めた1ドル銀貨の箱、長い草地に埋めた人形、松林の木に釘づけした本、
それを日曜ごとに確認する。

魔法に守られ安全だったハズのそのお屋敷に、従兄弟のチャールズがやってきた、その時から、様相が変わって来る。
魔法が溶けてしまったのだ。

最初、この、チャールズがやってきたことで、茨の囲いに閉じ込められたような世界から、メリキャットやコニーが救い出される、チャールズ=プリンス・チャーミングなのかな とか、
この期に及んで期待しちゃったりしてたんですけれど、全然違ったな。
チャールズは、破壊の大王だった・・・・・
 
父親が亡くなったんだけど、遺産なんにもなくて、お金目当てに近づいてきた、金の亡者。
ブラックウッド家の財産を手に入れる為、コニーに取り入り、メリキャットとジュリアンおじさんを排除しようとする。

だけど、ちょっと待って。
これは、完全に、語り手であるメリキャット視点。
多かれ少なかれ、そういうお金目当てなトコがあるのは確かだけれど、周囲の人々から孤立してしまっているブラックウッド家を、現実世界に戻してやろうと思っていたのも、事実なのかもしれん。
でも、まぁ、やっぱり彼は「お金」目当て ですね。うん。

中で巻き起こる、メリキャットVSチャールズ。
コニー姉さんは、どっちの味方なのか。

そうこうしている間に、火事が起こり、
消防隊が到着して、消しとめられはするのだけれど、火事場パニックというか、普段から、ブラックウッド家に対して良い感情を持っていなかった町の住民により、破壊の限りが尽くされる。
もう、読んでて、気持ち悪くなる程の狂気。
人間の集団の狂気。
その恐ろしさ。
それって、現実世界でも、よく、みかけ、ます、よね・・・・
そう思ったら、ホント、気持ち悪くなります。

半壊した屋敷を要塞のように板やダンボールで打ち付け、その中で暮らすメリキャットとコニー。
おじさんは、火事の最中、心臓発作を起こしてなくなった。
残されたのは二人だけ。

その二人を心配して、昔から時々お茶に来ていたヘレンや、おじさんの主治医の先生たちが、出てくるように、自分たちの元に来るよう、働きかけるが、頑として出て行かない二人。
最初は、良心から、本当に心配してきてくれていたのだろう と 思う。
だけど、繰り返し訪問しても反応がないことから、最後は善意の押し売りになってくる。
「もうきてやらないぞ。」「これが最後だぞ。」
そこにも、人の恐ろしさを感じる。
良かれと思って「してあげる」ことは、本当に、その人の為になることなんだろうか?
それは、単なる「押し売り」で、「自己満足」なのではないのか?

そして、なによりも、
ずっと、他人の狂気にさらされてきたと思っていたメリキャットとコニー。
この二人の中の狂気。
二人はいつまでも、幸せに暮らしましたとさ。


ブラック・・・・
ここに出てくる人々は、自分の中にもいる と 思える部分があるのが、とにかく怖い。
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